トレイ・ターナーの逆転満塁本塁打でアメリカがベネズエラを下し準決勝進出
3月18日(日本時間19日)、『2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™』の準々決勝がアメリカのローンデポ・パークで行われ、アメリカが終盤で劇的に逆転しベネズエラを9対7で下し、優勝した前回大会に続く2大会連続の準決勝進出を決めた。
調子を上げてきたスター軍団・アメリカと、今大会無敗と勢いに乗るベネズエラの一戦は期待に違わぬ見せ場が何度もある好ゲームとなった。
まずアメリカが怒涛の先制攻撃を仕掛ける。先頭のムーキー・ベッツからマイク・トラウト、ポール・ゴールドシュミット、ノーラン・アレナード、カイル・タッカーの5連打で一挙3得点。ベネズエラの先発マーティン・ペレスはタッカーの走塁死による1アウトしか取れずにノックアウトされてしまった。それでも、その裏ベネズエラはルイス・アラエスの2ランですぐさま1点差に詰めた。
2回、3回と両者無得点で試合は落ち着きかけたが、4回以降に再び動く。アメリカが4回にベッツの犠牲フライ、5回にタッカーの本塁打で1点ずつを加え、リードを3点に広げた。
アメリカにとっては、ここから逃げ切る試合展開に持ち込みたかったところだが思わぬ誤算が生じる。5回裏からマウンドに上がったダニエル・バードの制球がまったく定まらない。四球、内野安打、死球で満塁とすると、暴投で1点を失い、さらにストレートの四球と荒れに荒れ、降板。チャンスが転がり込んだベネズエラ打線は、この走者たちをルイス・アラエスの内野ゴロ、サルバドール・ペレスの二塁打、ロナルド・アクーニャ・ジュニアの犠牲フライで返し、6対5と一気に逆転に成功した。さらに7回にはホセ・キハダがピンチを見逃し三振で脱すると、その裏にアラエスがソロ本塁打を放ち、これがダメ押しになるかと思われた。
しかし、劇的な展開はこの後に待っていた。8回表、アメリカがイニングまたぎの続投となったベネズエラのキハダから代打ピート・アロンソの安打や2四死球で無死満塁のチャンスを作る。ここで打席にはMLB通算1000本以上の安打を放ちながらも、この豪華打線では9番に座るトレイ・ターナー。代わったばかりのシルビノ・ブラチョに2ストライクと追い込まれたものの、ど真ん中に来たチェンジアップを振り抜くと打球は高い放物線を描いてレフトスタンドへ。起死回生の逆転満塁本塁打でスタンド、ベンチは熱狂し、ターナーは仲間たちに祝福されベンチに戻ると、ユニフォーム胸のUSAの文字を握り締めながら叫び喜びを爆発させた。
これで2点のリードを奪うと、デビン・ウィリアムズ、ライアン・プレスリーというMLB屈指の救援投手たちが8回と9回を無失点に抑えて試合終了。アメリカが大会連覇に向けて準決勝に進出を決めた。準決勝は3月20日8時(日本時間)からキューバと戦う。