WORLD BASEBALL CLASSIC 2023

初回4失点の誤算もメキシコが逆転 プエルトリコを下し初の準決勝進出を決める

2023年3月18日 試合レポート

 3月17日(日本時間18日)、『2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™』の準々決勝がアメリカのローンデポ・パークで行われ、メキシコが4点のビハインドをひっくり返して5対4とプエルトリコに勝利。初めての準決勝進出を決めた。

 試合はいきなり動いた。メキシコの先発で昨年のMLB最優秀防御率のタイトルを獲得しているフリオ・ウリアスにプエルトリコ打線が襲い掛かる。
 四球とサンディ・ベルムデスの安打で1死一、三塁のチャンスを作ると、エマヌエル・リベラがライトへの犠牲フライを打って先制。さらにハビエル・バエスが逆方向のライトへ2ラン本塁打を放つと、続くエディ・ロサリオもセンターへ2打席連続本塁打を放って、初回から一挙4得点。準々決勝進出を喜んだ際に負傷し離脱となった守護神エドウィン・ディアスの思いも背負って戦う選手たちの闘志が乗り移ったかのようだった。
 それは守備にも感じられ、4回には左中間に抜けそうな打球を中堅手エンリケ・エルナンデスがダイビングキャッチ。プエルトリコファンが多く集まったスタンドを大いに沸かせた。  こうした援護もあり、プエルトリコの先発マーカス・ストロマンは5回途中まで、アイザック・パレデスのソロ本塁打とアレックス・ベルドゥーゴのタイムリーの2点に抑え、後続に託した。

 そして7回からはエドウィン・ディアスの入場曲に乗り、弟のアレクシス・ディアスが登板。スタンドのボルテージは上がったが、これが裏目に出る。
 メキシコのこの回先頭オースティン・バーンズに二塁打を打たれると連続四球で無死満塁。気負いすぎたのかアレクシス・ディアスは1つのアウトも取れずに降板となった。このピンチに登板したホルヘ・ロペスは2死までこぎつけるが、パレデスに同点の2点タイムリーを打たれると、ルイス・ウリアスにもタイムリーを打たれ、ついに逆転を許す。どちらも詰まった当たりだっただけに不運だったが、一度傾いた流れは止められなかった。

 逆転に成功したメキシコは、救援陣が奮闘。ウリアスの後を継いだハビエル・アサド、ジョジョ・ロメロ、ジェーク・サンチェスと繋いでいくと最終回はジョバニー・ガジェゴスが登板。クリスティアン・バスケスとフランシスコ・リンドーに安打を打たれ、2死一、二塁のピンチを招くが、最後はエルナンデスを見逃し三振に抑え試合終了。

 1次ラウンドのプールCでアメリカを破り1位通過した実力と勢いをメキシコが見せつけて逆転勝ちを果たした。一方、プエルトリコは2回以降に打線が沈黙。大きなミスこそ無かったものの悔しい敗戦となった。

 初めての準決勝進出を果たしたメキシコは、3月21日8時(日本時間)から3大会ぶり3回目の優勝を目指す侍ジャパンと戦う。