WORLD BASEBALL CLASSIC 2023

村上宗隆と山川穂高の本塁打や吉田正尚4打点の活躍でWBC前最後の実戦に大勝

2023年3月7日 試合レポート

 3月7日、侍ジャパントップチームは京セラドーム大阪で『カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™ 強化試合』のオリックス戦に臨み9対1と大勝した。

 試合は序盤から侍ジャパンのペースで進んだ。1回、2番・近藤健介(ソフトバンク)が四球を選んで出塁すると、3番・大谷翔平(エンゼルス)がゴロながら痛烈な当たりで二遊間を抜いてチャンスを広げ、打席にはこの日4番に起用された吉田正尚(レッドソックス)。
 ここで吉田はチェンジアップを華麗にさばいてライト前へ運び、近藤が生還。打者4人で先制に成功した。この後5番・岡本和真(巨人)は凡退したものの、その直後に待望の一発が生まれる。
 ここまでフリー打撃やダルビッシュ有(パドレス)相手のライブBPでは豪快な本塁打を放っていたものの、実戦では本塁打の無かった村上宗隆(ヤクルト)。この日は4番から6番に打順を下げて「悔しい思いもあった」と振り返るが、甘く入った150キロのストレートを振り抜くと、打球は大歓声に包まれ左中間スタンドへ。「体重のかけ方やボールの待ち方を試行錯誤してきたのですが、来た球に対して思いきりスイングができたので、この形が良いのかなと思います」と手応えを掴む本塁打は3ランとなり、立ち上がりから4点を奪った。
 続く2回も甲斐拓也(ソフトバンク)、近藤、大谷が四球を選んで満塁とすると再び吉田。今度は逆方向のレフトへ走者一掃の三塁打を放って、7対0とした。

 投げては先発投手を務めた予備登録メンバーの種市篤暉(ロッテ)が4回無安打無失点の好投でオリックスに流れを渡さず、その裏に打線は近藤と大谷の代打・山川穂高(西武)のタイムリーで1点を追加した。山川はこれが今年の侍ジャパンでの実戦6試合16打席目にして初安打。これに初打点も加わり「めちゃめちゃめちゃめちゃめちゃめちゃうれしいです」と喜びいっぱいのコメントを発表。さらに8回には高い弾道でレフトスタンドに飛び込むダメ押し本塁打を放ち、「打撃練習から極端に始動を早めにしていたので、しっかり間合いを取ることができました」と山川もまた手応えを掴んだ。
 実戦2試合目でこの日も1番に起用されたラーズ・ヌートバー(カージナルス)も第5打席で三塁打を放つなど多くの選手に順調な調整ぶりが窺えた。

 種市の後を継いだ投手陣は、7回に予備登録メンバーの岩下大輝(ロッテ)が1点こそ失うものの、8回は中継ぎとしての活躍が期待される宇田川優希(オリックス)が先頭打者に安打こそ打たれながらも後続を落ち着いて抑えて無失点。9回は予備登録メンバーの山﨑颯一郎が試合を締めた。
 村上と山川の長距離砲2人に本塁打が飛び出し吉田も3安打4打点。守備も無失策と最高の形で大会前最後の実戦を終えた。

 開幕前日となる3月8日は東京に移動し『カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™ 東京プール』の舞台である東京ドームで練習と公式記者会見を行う予定となっている。

監督・選手コメント

栗山英樹監督

「みんなが最高の状態になるように準備してきましたが、良い形になってきたと思います。打線もこれだけの選手たちですから、もっともっと良い打線になると思います。僕が打順を間違えないようにしていきたいです。(村上の本塁打について)シンプルに嬉しかったですね。三冠王の打者なので良いきっかけになると信じています。(大会に向けて)選手たちを信じきって前に進むだけ。一人ひとりが力を発揮できるよう超全力で行きます」

吉田正尚(レッドソックス)

「(古巣・オリックスの本拠地・京セラドーム大阪でのお立ち台について)懐かしいなって思います。(3安打4打点の活躍について)調子は徐々に上がってきているので、しっかり本戦に臨めるように調整していきたいです。あとはやるだけ。精いっぱい戦ってきます。(ファンに向けて)7年間ここで成長できました。本当にありがとうございました。皆さんの声援が力になると思います。一緒に戦っていきましょう」

村上宗隆(ヤクルト)

「日に日に一歩ずつ感覚が良くなっていますし、3月9日に合わせてやってきた中で一本が出たので準備ができたのかなと思います。とにかく勝つことだけを意識して、一人ひとりが力を出せば勝てるチームですし、みんなでカバーし合う野球をしていきたいです」

ラーズ・ヌートバー(カージナルス)

「最初の4打席は振り遅れていたので、5打席目はストレートを待って上手く打つことができました。守備も問題ないですし、コミュニケーションも打ち合わせできています。大会がものすごく楽しみです。チームにもすごく慣れてきたので準備は整ったと思います」

宇田川優希(オリックス)

「ストレートも強かったですしストライクゾーンで勝負できました。球速にはこだわっていませんでしたが、156キロが出たということは調子が上がっていると分かって良かったです。フォークが決まらなかったので、しっかり練習で調整していきたいです」