大谷翔平が2打席連続本塁打 30選手全員が揃った戦いで阪神相手に快勝を収める
3月6日、侍ジャパントップチームは京セラドーム大阪で『カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™ 強化試合』の阪神戦に臨み、大谷翔平(エンゼルス)の2打席連続本塁打6打点の大活躍などにより8対1で阪神に快勝を収めた。
大谷らMLB選手たちの出場が解禁となった強化試合1試合目。侍ジャパンのスタメンには、ラーズ・ヌートバー(カージナルス)、大谷、吉田正尚(レッドソックス)とMLB所属3選手が名を連ねた。
大谷が打撃練習1スイング目からライトスタンドに飛び込む柵越えを放つなど、3選手とも打撃練習から大きな注目を集めた。
その期待を上回る衝撃を与えたのは3回表の大谷の第2打席だ。
まず1死後に源田壮亮(西武)の二塁打からチャンスを作り、1番ヌートバーのタイムリーで先制に成功した。さらに近藤健介(ソフトバンク)が四球で繋ぐと、打席には3番・大谷。
第1打席では阪神の先発右腕・才木浩人が投じた154キロのストレートで空振り三振に倒れていたが、第2打席では153キロのストレートでファウルを2球続けた後、139キロのフォークを掬い上げると打球は高々と舞いがった。大きな歓声に包まれながら打球はバックスクリーン右のスタンドに吸い込まれる3ラン本塁打。追い込まれてからの変化球に体勢を崩され、泳ぎ気味にとらえ、打ち終わりに左膝をついたにもかかわらず放った圧巻の本塁打に、球場内は大きなどよめきにも包まれた。
それだけでもファンは大満足だっただろうが、5回表の打席でも大谷は豪快な一発を放つ。この回も源田の安打と近藤の四球からチャンスを作ると打席には大谷。この回からマウンドに上がった昨年の侍ジャパンU-23代表で新人左腕の富田蓮が投じた7球目のストレートを振り抜くと、打球はまたもバックスクリーン右のスタンドに飛び込む3ランとなった。
さらに村上宗隆(ヤクルト)が全力疾走で内野安打を記録すると、吉田がレフトオーバーのタイムリーを放ちダメ押し。8対1として試合を決めた。
投手陣は、先発の山本由伸(オリックス)が近本光司にソロ本塁打こそ打たれ、3回50球を投げて4安打を打たれながらも、この1点のみに抑えた。4回から登板した高橋奎二(ヤクルト)は「ダルビッシュさんに教えてもらったスライダーを試すなど点差があったのでテンポ良く投げて、守備からリズムを作る意識で投げました」と3回2安打4奪三振の内容で無失点に抑えた。
7回は松井裕樹(楽天)、8回は湯浅京己(阪神)、9回は栗林良吏(広島)が1人の走者も出さずに阪神打線に反撃をさせず試合を締めた。
特に松井は前回の中日戦(3月3日)で制球を乱し1回持たずに降板となっていただけに大会本番に向けて明るい材料が増えた。
試合後、栗山英樹監督はMLB所属3選手について「アメリカとの時差もある中でそれぞれが、らしさを出してくれました」と目を細め、チーム全体についても「試合に入った時の集中力が素晴らしかった。課題はまだまだありますが、入りがすごく良い試合でした」と気を引き締めながらも満足そうに振り返った。
大会登録の30選手全員が初めて揃った最初の試合を快勝した侍ジャパン。7日は大会前最後の試合となる『カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™ 強化試合』のオリックス戦を19時から戦う予定となっている。
選手コメント
大谷翔平(エンゼルス)
「(1本目の本塁打)才木投手も素晴らしい球を投げていましたが、良い角度で打つことができました。(2本目の本塁打)ちょっと詰まりましたが力でスタンドまで持っていくことができました。(大会に向けて)素晴らしい選手たちが集まっているのでチーム一丸で頑張りたいです。まだ本戦では無いので一日一日気を引き締めて、良い形で初戦を迎えたいです」
ラーズ・ヌートバー(カージナルス)
「強いストレートを投げる投手だったので、目付けを高めにして、ストレートをしっかり打ち返せて良かったです。緊張もありましたが、この場所でプレーできていることが楽しく、素晴らしい経験が続いています」
吉田正尚(レッドソックス)
「(タイムリーは出たが)内容的にはあまり良くなかったですね。しっかり調整していきたいです。(メジャーリーガーたちで盛り上がった試合だったが)いえいえ、僕はリトルリーガーなので(笑)大谷選手の連続本塁打は皆さんと同じ感想です。ベンチのみんなで見入ってました。しっかりと大会に入れるよう課題を見つけていきたいです」
源田壮亮(西武)
「(3打数3安打)上位打線がすごいので塁に出ることが求められていると思うので、それができて良かったです。打線が上手く回るように仕事ができればと思っています。一体感もあってベンチの雰囲気もすごく良いですね」
山本由伸(オリックス)
「立ち上がりからしっかり試合に入るように準備しました。失点はしてしまいましたが感覚は良く、次回の登板に繋がる投球ができました」
湯浅京己(阪神)
「ファンの方々の声援には鳥肌が立ちました。力をもらって良い投球ができました。感覚良く、いつも通りの自分の投球ができました」