【2023 World Baseball Classicに向けて】最後まで諦めない心でつかみ取った初代王者の栄冠
2023年開催の第5回ワールド・ベースボール・クラシックに向け、強化試合4試合すべてに快勝した侍ジャパン。3度目の世界一に向け弾みをつけたが、初代王者となった第1回大会は逆境をはねのけてつかみ取った奇跡の王座だった。
真の世界一を決める大会として開幕した2006年の第1回ワールド・ベースボール・クラシック。その歴史の1ページに初代王者の名を刻んだのは日本代表だったが、その道のりは容易なものではなかった。
日本、アメリカ合衆国、キューバ、韓国など16チームが参加して行われた「野球の世界一決定戦」。王貞治監督が率いる日本代表は、MLBからイチローと大塚晶則が参加。松井秀喜、井口資仁は辞退した。
東京で行われた第1ラウンドでは韓国に敗れるも2勝1敗の2位で第2ラウンドに進出。ここで日本はアメリカとの世紀の一戦を迎えた。
2005年、ア・リーグ首位打者のマイケル・ヤング、本塁打&得点王のアレックス・ロドリゲス、ナ・リーグ最多勝のドントレル・ウィリス、最優秀防御率のロジャー・クレメンス、最多奪三振のジェイク・ピービー、首位打者デレック・リーなどのタイトルホルダーをはじめ、デレック・ジーター、チッパー・ジョーンズ、ケン・グリフィーJr.らも招集し王座を狙ったアメリカ。
アメリカはピービー、日本は上原浩治が先発。初回にイチローの先頭打者本塁打でスタートしたが、3対3の同点で迎えた8回、一死満塁で岩村明憲がレフトへ飛球を放ち三塁走者の西岡剛がタッチアップで生還。しかし、アメリカの抗議の結果、判定はアウトに。これは「世紀の誤審」とも呼ばれている。
そして9回、A-RODことアレックス・ロドリゲスのタイムリーでアメリカがサヨナラ勝利を飾る。
この後、日本はメキシコに勝利するも韓国に再び敗戦し1勝2敗。アメリカがメキシコに勝利するとそこで日本の敗退は決まる崖っぷちに立たされたが、アメリカがまさかのメキシコに敗戦。日本、アメリカ、メキシコが1勝2敗で並んだが、失点率が低かった日本が勝ち上がる。
そして準決勝。ここまで2敗を喫していた韓国と対戦し、イチローの3安打などで6対0の勝利。決勝ではキューバを10対6で破り、初代王者に輝いた。大会MVPは3勝無敗、防御率1.38の松坂大輔が手にした。
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諦めない心で逆境をはねのけて世界一となった日本。第1回ワールド・ベースボール・クラシックは、日本にとって「アナハイムの奇跡」としてこれからも語り継がれていくだろう。